元気なうちに家族での思い出を
父のがんが発覚してから、残された時間に父のために何かできないかと考えました。
父は何が好きなのか、自分に何ができるかを考えたのですが、特別なことは思いつきません。
父のことを振り返ると
基本的には寡黙で、自分の気持ちをほとんど話すような人ではありませんでした。好きなものはテレビを見ること、収集癖があるわけでもなく、アクティブな趣味があったわけでもありません。たまに県営球場で野球の試合を見に行ったりしていましたが、そこまで好きでもなさそうです。
じゃあ、好きな食べ物はと考えたましたが、肉は好きでした。母が肉が食べられないので、なかなか食べに行く機会はありませんでしたので、私が結婚する前に父と二人で焼肉屋にいったりもしました。バイクが欲しくて、会社の持株会にお金をいれていたのですが、母にばれてお金を回収されてたことを話していました。
出かけるのは好きだったみたいで、母と一緒に御朱印帖をもって二人で寺巡りをしていました。ジャージとかウインドブレーカーが好きで、アウトレットにいったら熱心に見ていました。昔からの愛煙家で、ショートホープを吸っていました。
車のケアには一言あるみたいで、タイヤの履き替えについてはいつやるんだと、履き替えシーズンがきたら話をされてました。
土曜日は、二人で住んでいる祖父母の家まで行っていました。お酒は飲むのですが、発泡酒とかビールとか、あまりこだわらず、好きなつまみもコンビニで買えるようなイカや貝のヒモのようなものでした。
残された時間でできること
こうして振り返ってみても、父が喜ぶ特別な思い出作りが、全く思いつきません。
父にも、したいこと・やりたいことはないかと尋ねたんですが、なかなか言ってもくれませんでした。では、プレゼントを贈るのもなんか違うと思いました。
孫とお出かけ
そこで、まずは家族みんなでおでかけをすることにしました。私の妻にも相談して、みんなで近くの動物園にいくことにしました。2歳の孫娘が喜べば、ジジババも喜ぶだろうという思いからなので、ほとんど娘のためみたいな動機だったのですが。
私の愛車フリードで、私・妻・娘・父・母・弟の6人ぎゅうぎゅう詰めで、父をというより、娘を囲んで1時間かけて最寄りの動物園へ向かいました。
大きな動物はライオン、象、キリン、ほかにもカバなんかがいて、娘は、私や弟にだっこされたり、ベビーカーで引かれたり、みんなと手をつないで動物を見てにっこりしていました。
キリンにじーじと餌をあげたり、大きな象に餌を投げたり、ポニーに乗ったりと動物にもふれあったのですが、娘が一番喜んだのは、鯉への餌やりでした。
遊園地が併設されており、コーヒーカップやアンパンマンの乗り物に乗ったり、じーじばーばと一緒に園内を一周できるモノレールにのったりと娘は大満足でした。
当日は意識的に写真も撮るようにして、一冊のアルバムを作りました。
妻が富士フィルムのフォトブックなら簡単に作れるからやるよーと言ってくれたので、とてもありがたかったです。
参考:https://f-photobook.jp/?gclid=Cj0KCQjwlPWgBhDHARIsAH2xdNdW7aYhnZIHsWOwGZedDdj_R3tqt3IZKIa2oHuFv4Oty8kBFMyuZh0aArbdEALw_wcB
父と母と私の娘でとった写真は、父のスマホの待ち受けにも設定されており、あまり話さない父でしたが、良い思い出となったかな、と待ち受けに気づいたときは嬉しかったです。
また、最後の旅行として、父の父母、私の祖父母と一緒に、私の娘を合わせた4世代で旅行にいき、そこでもアルバムを作りました。
たくさんの写真を意識的にとれたので、アルバムを作るぞって目的意識をもって写真をとったのはいいことだったかもしれません。
日常的にできること
特別なことはずっとはできなくても、日常的なことは続けることができます。
娘の保育園の迎えに行った足で、そのままじーじのところまで遊びにいったり、日曜日には、お昼と夜にご飯をごちそうになったり、その中で娘を囲んで笑いあっていました。
父が孫娘のご飯の世話を見ながら、笑っている光景がまだ残っています。
このままこんな日常が続けばいいなと思うような日々でありました。